120:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:25:20.72 ID:D4qOgycfo
そんな話をしていると、「あっ」という声がすぐそばから聞こえた。
どきりとする。
121:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:26:45.11 ID:D4qOgycfo
「……声、かけないの?」
そう言ったのは佐伯だった。途端に、三人の視線は俺に集まる。
122:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:27:57.59 ID:D4qOgycfo
「じゃあ、ひょっとしてこないだ言ってた、たっくんの年下の女の子って、るーちゃんのこと?」
なんだ、年下の女の子って。
123:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:28:48.17 ID:D4qOgycfo
「じゃあ、ひょっとして浅月の初恋?」
俺は返答に詰まった。
124:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:29:28.73 ID:D4qOgycfo
◇
そんなことがあったから、放課後になってもすぐに部室に顔を出す気にはなれなかった。
かといって他に行き場もないし、部屋に帰るつもりもなかった。
125:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:30:57.88 ID:D4qOgycfo
そんな気分のときにこの屋上に立っていると、決まって彼が現れる。
「ひさしぶりだな」
126:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:31:56.18 ID:D4qOgycfo
「鷹島 スクイ」
と彼はずっと前、俺に名乗った。
「変な名前」と思わず口に出したら「俺のせいじゃない」と彼は笑ってた。
127:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:32:28.44 ID:D4qOgycfo
「きみね、協調性とかないの?」
「協調性っていうのは、自分の判断や価値観や物事の正否の判断を一旦留保して、周囲の流れに合わせる能力のことか?」
128:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:33:34.16 ID:D4qOgycfo
さて、とスクイは梯子の上から跳ね降りる。
結構な高さだというのに、なんてこともなさそうに。
「俺は行くよ」
129:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:34:00.84 ID:D4qOgycfo
ドッジボールで勝利するのはドッジボールに熱中して楽しめる奴だ。
「そもそもなんでドッジボールなんてしなきゃいけないんだ?」なんて考えはじめる奴は、残念だけどドッジボールの勝者にはなれない。
たぶん、次からは誘ってももらえなくなるだろう。
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