123:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:28:48.17 ID:D4qOgycfo
「じゃあ、ひょっとして浅月の初恋?」
俺は返答に詰まった。
「……」
詰まった、のが答えのようなものだった。
「たっくん……しかも、たっくんとその話をしたの、るーちゃんが入部する前だったよね」
「……そうだっけ?」
「つまり、るーちゃんがこの学校にいることに気付くよりも先に、好きな子のこと訊かれてるーちゃんを思い浮かべたんでしょ?」
「……いや、どうだったっけ?」
「浅月、漫画みたいだね」
どういうたとえだ。
「うるさい。シャラップ。もういい。この件に関しては口出し無用だ。第一証拠はあるのか、証拠は」
「なるほどなあ、初恋の相手で、しかもモロに引きずってたから、話しかけるのを躊躇してたわけか」
「口出しするなというに」
「自分はめちゃくちゃ引きずってるのに相手が覚えてなかったらショックだもんね……」
「でも、遊んでたって言っても子供の頃なんでしょ? 中学ならまだしも高校入ってそれって、浅月、それもう一途とかじゃないよ。妄執だよ」
「そういうんじゃない! 俺はただるーと……」
「るー?」
三人は言葉を止めて俺のことをじっと見つめた。
俺はうつむくことしかできなかった。
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