131:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:35:55.92 ID:D4qOgycfo
「どうしたの」と俺は近付かずに声をかけた。
「佐伯先輩が、きっとここにいるだろうって」
132:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:36:25.10 ID:D4qOgycfo
そういえば。
ポスターを拾われたとき以来か。彼女とふたりきりになったのは。
「景色を見ていたんですか?」
133:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:37:03.17 ID:D4qOgycfo
「部室、いこっか。暗くなってきたし」
結局何も言えずに、俺はフェンスに背を向けて、扉へと向かった。
134:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:37:47.92 ID:D4qOgycfo
どう応えるべきか、迷った。
彼女の表情は、よく見えない。
何を俺に伝えようとしているのか、分からない。
135:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:38:21.87 ID:D4qOgycfo
「名前、おんなじです。同姓同名じゃないですよね。珍しい苗字だし」
言葉を重ねるほどに声が震えていく。
俺は自分が嫌になった。なんで、この子にそんなことをさせてしまったんだろう。
136:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:38:55.15 ID:D4qOgycfo
藤宮ちはる――るーは、急に跳ねるみたいに駆け出してきた。
俺に向かって、早歩きよりちょっとはやいくらいの駆け足で。
まっすぐに。そう長くない距離を。そのままのスピードで。
137:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:39:54.34 ID:D4qOgycfo
「こっちにきてるなんて、聞いてないです。タクミくんのばか。ばか」
「いや、待てって。いろいろ事情があったんだよこっちにも」
138:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:40:21.22 ID:D4qOgycfo
俺はしばらく黙ったまま、るーが落ち着くのを待った。
とりあえずポケットティッシュを取り出して彼女に渡した。
るーは子供みたいに鼻をかんだ。
139:名無しNIPPER[saga]
2015/11/22(日) 17:41:10.61 ID:D4qOgycfo
つづく
140:名無しNIPPER[sage]
2015/11/22(日) 21:44:45.52 ID:0ERre9RdO
乙
141:名無しNIPPER[sage]
2015/11/22(日) 22:32:43.77 ID:LjKTpqvho
乙です
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