186:名無しNIPPER[saga]
2015/11/26(木) 23:51:19.78 ID:KuRGWnJ0o
◇
そして翌週の放課後になると、嵯峨野先輩は文芸部の部室に長い時間居座るようになった。
「入部しちゃおうかなあ」なんて冗談めかして笑う表情はいかにも好青年的な爽やかさ。
それでも「ぜひそうしてください」って声を掛けるような部員はひとりもいなかった。
かといって嵯峨野先輩が来ることに文句を言う奴もいない。
(なんせどうでもいい)
とはいえ、嵯峨野先輩の高森に対するアプローチは誰から見ても分かりやすかったために、
高森だけがやたらと疲弊する結果になった。
二日目には嵯峨野先輩は高森のことを「蒔絵ちゃん」と呼び始めた。
この人すげえな、と俺とゴローは感心していた。
感心しつつ、スルーしていた。
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