19:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:24:48.46 ID:0oXNO4iLo
「……で、採用された文章はなんだったんですか?」
部長はブレザーの内ポケットからスマホを取り出して、「ん」と画面をこっちに向けた。
どうやらポスターを撮ってきたらしい。
俺と高森は画面に向かって揃って顔を寄せた。
掲示板に貼られたポスターの写真。文面は以下のようになっていた。
「文芸部部員募集中! お気軽に部室まで」
担当顧問の名前と部室までの案内が、ポスターの右下にそっと添えられている。
勧誘文句の脇には、椅子に座って本を読む「考える人」の絵が描かれていた。
描いたのは部長だ。クオリティは無駄に高い。
「やっぱ部長、絵うまいっすね」
俺の言葉に、部長は「やー、そんなことないよー」と照れた感じで前髪を何度も直しはじめた。
自分の言葉で女の人が照れたと思うと、妙にうれしいのはどうしてなんだろう。
俺がそういうほのかな幸せを感じている横で、高森はちょっと不満そうな顔をしていた。
「……部長、日和りましたね」
「あ、ばれた? やっぱりちょっとおかしいよね。よく見ると足が短いもんね」
「絵の話じゃないです」
「え?」
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