30:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:31:50.49 ID:0oXNO4iLo
  
 「……やっぱトゥギャザーが一番ダメージ少ないよな。笑われてもネタにできるし」 
  
 「たっくん、冷静になって。トゥギャザーも相当アレだったよ」 
  
  俺と高森は体力と気力を使い果たし、パイプ椅子にもたれるだけの脂肪の塊と化した。 
  部長はずいぶん前からひとりマイペースに本を読み始めていて、俺たちのことは一顧だにしない。 
  
  そんな静寂が二、三分続いたあと、高森は、 
  
 「あ」 
  
  と声をあげたかと思うと、勢い良く立ち上がった。 
  
 「どうした?」 
  
 「バスの時間。いかなきゃ」 
  
 「じゃあねー」と、部長が本から顔を上げてゆらゆら手を振る。 
  
 「おつかれさまですー、また明日!」  
  
  高森がバタバタと部室を出て行ったあと、俺と部長は静けさの中に投げ出された。 
  
  
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