31:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:32:18.40 ID:0oXNO4iLo
「さて」と、本をぱたんと閉じて、部長は立ち上がった。
「どうしました?」
32:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:32:48.70 ID:0oXNO4iLo
「……あの、すみませんでした」
「うん。許す」
33:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:33:18.98 ID:0oXNO4iLo
「……環境省に怒られますよ」
「だいじょうぶ。ちゃんと使えば、無駄遣いじゃないもんね」
34:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:33:53.90 ID:0oXNO4iLo
「……仕方ないですね。俺も腹を括りましょう」
「やっと諦めてくれた?」
35:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:34:19.93 ID:0oXNO4iLo
「しーらない、と言いたいとこだけど、ちょっとごめん」
やりすぎちゃった、という顔で、彼女はぽりぽりと頭を掻いた。
36:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:34:46.62 ID:0oXNO4iLo
◇
階段を駆け下りて、一階の渡り廊下から土足で校舎裏に回る。
一応土のないところを選んで歩いたが、汚れてしまったらあとで洗うなり拭くなりしよう。
37:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:35:15.03 ID:0oXNO4iLo
「え?」
彼女は、びくりと大きく体を跳ねさせた。
こんな人気のない場所で、話しかけてくる奴がいるなんて思わなかったんだろう。
38:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:35:41.33 ID:0oXNO4iLo
「うん。きみは新入生?」
そう問いかけたところで、彼女と目が合う。
39:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:36:12.68 ID:0oXNO4iLo
「これ、もらっちゃだめですか?」
「……え?」
40:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:37:41.71 ID:0oXNO4iLo
◇
なんとなくすぐに部室に戻る気になれなくて、俺は東校舎の屋上へと向かった。
本校舎の屋上も東校舎の屋上も、一応開放されてる。
41:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:38:25.92 ID:0oXNO4iLo
いちおう、文芸部員である佐伯。物腰が落ち着いていて、く大人びているんだけど、
ときどきこういう、変に子供っぽいところを見せる。部活サボって屋上でシャボン玉吹いたり。
「……なんでこんなところにいるわけ?」
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