42:名無しNIPPER[saga]
2015/11/14(土) 12:38:56.75 ID:0oXNO4iLo
「部活は?」
「高森とゴローは帰ったよ。そっちこそサボり?」
「べつにさぼってないよ。こういう時間が必要なんだよ」
「知らないけどさ」と、俺は溜め息をついた。
「浅月」
「なに?」
「なんかつらそうだよ」
「……や。そんなことないけど」って、俺はごまかし笑いをした
「やっぱり誰かに似てるなあ」って佐伯は言った。
佐伯がつくりだしたシャボン玉が、屋上にふわふわ浮かびながら、昼下がりの太陽を浴びてきらきら光っている。
なんとなく、いろんなことを思い出す。順不同に。
子供の頃の夏。中学のとき、屋上で言われた言葉。眠られずに起きたとき聞いた、両親の会話。途絶えたメール。誰かの泣き顔。
「……そろそろ帰るよ」
「そう? そうだね。もうそういう時間だね」
じゃあばいばい、って佐伯はひらひら手を振った。
1002Res/782.99 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。