79:名無しNIPPER[saga]
2015/11/17(火) 21:47:36.28 ID:ZFXDl97Lo
◇
「ちーちゃんは既にいるから、なんて呼ぼっか。はるちゃん? るーちゃん?」
高森のそんな馬鹿げた質問に、藤宮ちはるは得意の笑顔で「じゃあるーちゃんで」とあっさり言った。
「よろしくるーちゃん」と言って高森は藤宮の頭をくるくる撫で回す。
あはは、って首を竦めて藤宮はくすぐったそうに身をよじった。
「藤宮ちはる」と俺は口の中だけで復唱した。誰にも聞こえなかったと思ったのに、ゴローだけは耳ざとく気付いたらしい。
「知り合い?」なんて訊いてきたから、とっさに「いや」って否定してから藤宮の方を見ると、彼女もこっちの方を見ていた。
一瞬だけかち合った視線があっというまに逸らされる。
そうこうしているうちに部長がささっと戸棚から紙切れを用意して、はい、と藤宮に差し出した。
「なんですか、これ」
「入部届」
有無を言わせない強引な勧誘だった。
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