841:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:33:22.97 ID:pZZx+2x0o
「誰の家が一番近い?」
「俺の家かな」とゴローは言う。
「わたしの家が一番遠いと思います」と高森。
「そっか。じゃあ、ゴローくんおろして、高森さんち」
「……俺んち、中間地点だよ」
「タクミは最後。今、静奈先輩のところにいるんでしょ?」
「……あ、うん。聞いてたの?」
「るーから、ちょっとね。わたしも静奈先輩と久しぶりに会いたいし」
「……うん」
何を考えればいいのかわからなくなってしまって、俺は助手席に乗せられてから、ずっと窓の外を眺めていた。
高森やゴローは、練習をしている間に思いの外すず姉になついたらしくて、今となっては俺よりも彼女に馴染んだ口調で話しかけていた。
すず姉の受け答えは「こども」に対する「おとな」の口ぶりで、それはあの頃、俺に接していたものよりもずっと遠く感じた。
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