909:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:08:56.10 ID:GUkSZoj/o
「世界はもっと公平で、うつくしくて、やさしくあるべきだって、そう思うから、
たくみはそういうものに苛立つんだと思う」
やわらかい夜風が火照った頬を撫でていく。
「ふつうはさ、納得しちゃうんだよ。そういうもんだって。
仕方ないじゃない。仕方ないことは、、どうしようもない。
とにかくそういうものなんだ、そういうふうにできてるんだって、受け入れちゃうんだよ」
「……」
「でもね、それはそれでいいんだよ、たくみ」
「どういう意味?」
「誰かと繋がっているってわかれば、それだけで、少しだけ、がんばれるんだ」
だからさ、とよだかは、
「だからさ、たくみはそれでいいんだよ」
本当にそれでいいんだろうか、と少しだけ思って。
でも俺もきっと、よだかがいることに、救われていたのだろうから。
「……うん」
頷いた。
遊馬兄が、静奈姉が、ちい姉が、すず姉が、美咲姉が、るーが、
一緒にいてくれただけで楽しかったあの夏。
世界はきっと、その頃からずっと変わらない仕組みでできている。
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