911:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:09:59.52 ID:GUkSZoj/o
◇
酔っぱらった頭のなかで、いろんなことがぐるぐると巡っていた。
いい加減認めるべきかもしれない。
夜風に吹かれながら見慣れてしまった道を歩いている途中で、彼は待ち構えるみたいに立っていた。
「やあ」
ずいぶん久しぶりだという気がする。
立っていたのは鷹島スクイだった。
「ずいぶん酔ったみたいだな」
「どうも、そうみたいだ」
俺はもう、彼がそこにいることを不思議とは思わなくなっていた。
どこにでもあらわれる。
俺がいるところなら、いつでも、どこでも。
「なあ、スクイ。おまえは結局、誰なんだ?」
そう、訊ねてみた。答えらしい答えを期待したわけじゃない。
「鷹島スクイ」と、彼は案の定、答えになっていない答えを返してきた。
でも、それが正解なのかもしれない。
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