976:名無しNIPPER[saga]
2016/04/02(土) 00:50:58.79 ID:PCQym4Teo
◇
鷹島スクイのしたこと、見たこと、聞いたことを、不思議と俺はいくつか思い出すことができるようになっていた。
焼却炉、まだ第一と第二が入れ替わる前の、『あっち』の文芸部の部室でのこと。
嵯峨野連理と、嘉山孝之のこと。
教室でぼんやりしているとゴローがやってきて、
「昨日の特訓のおかげでなんだかいけそうな気がしてきた」
と呟いた。まあ、俺もいくらかやる気にはなっていた。形になればいいな、と思う。
それからゴローは見覚えのない本を取り出して俺に見せてきた。
「いちばんわかりやすいDTMの教科書」と本の表紙に書いてあった。
「それ、どうしたの?」
「佐伯の兄貴が持ってたんだって。借りてみた」
「DTM?」
「作曲しようと思って」
「本気だったの?」
「いける」
ゴローは根拠のない自信に満ちていた。
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