98:名無しNIPPER[saga]
2015/11/19(木) 22:42:19.24 ID:s4jNJoDro
納品されてきた商品を棚に並べて在庫を整理し終わる頃には客足もおさまってくる。
一緒のシフトに入っている大学生の人はウォークインに入って飲料の在庫の整理、もうひとりは売り場を見ながら発注業務。
残った俺はレジにぼんやり立ちながら煙草や資材の補充をしていた。
ぼんやりしながら、俺はるーのことを考えた。
るー。
藤宮ちはる。
あの眩しかった夏のこと。
あのときは、あんな夏がずっと続くんだと思ってた。
次の年も、その次の年も、当たり前みたいに、夏になれば会えると思ってた。
中学に入って、部活や勉強や塾で忙しくなって。
夏休みになっても、親戚の家に遊びに行っている暇なんてほとんどなかった。
そもそも、墓参りなんかで行っていたわけではなくて、単に親が親戚に相談したいことがあって、そのついでにしばらく世話になっていただけだったようだし。
るーとは、会わなくなってからもメールのやりとりをしていたけど、
年が一個違う分、生活のなかで興味を持つ対象もずれてきて、
共通の話題だっていくつもなかったし、あったとしても、そんなにずっと続くようなものじゃない。
結局、いつのまにか、連絡をとらなくなって。
そうこうしてるうちに、一度携帯を壊してしまい、そのときに連絡先のデータが消えてしまった。
今では、連絡のとりようもない。
藤宮ちはる。
彼女は覚えてるんだろうか。
1002Res/782.99 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。