13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:40:23.77 ID:/ylhE4Sso
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「大室さん……ごめんなさい!!」
昨日のメールに「早ければ明日にでも大丈夫です」と返信すると、吉川先輩に待ち合わせ場所を指定された。何の変哲もない普通の公園で待っていると、桃色の髪を揺らして吉川先輩が小走りでやってきた。そして私の目の前に着くなり……近所の人にも聞こえそうな声量で、急に謝ってきた。
「落ち着いてください……声大きいです」
「ごめんなさい……私、ずっと大室さんには謝らなきゃいけないと思ってて……本当に……!」
「いいですって……とりあえず座ってください」
二人でベンチに腰掛ける。日曜日とだけあって、あちこちの遊具では数人の子供たちが遊んでいた。その様子をなんとなく眺めていると……隣にいた吉川先輩は距離をつめて、私の片手を取った。
「私を……怒ってるでしょう」
「…………」
「いいの……ひどいのは私ってわかってる……あのとき大室さんの相談に乗ってた私が、今はあかねちゃんと一緒にいるんだもの……こんなの、許されないわよね……」
四年前の吉川先輩は私より少し大きくて、一緒にいるだけで安心感が持てるような人だった。
四年ぶりにその感覚をなんとなく思い出し……しかし今隣にいる吉川先輩は心も身体も縮こまっている気がして、それがなんだかおかしかった。
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