過去ログ - 美希「第一歩なの」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:40:22.35 ID:U3uWc7f60
「ねえそこのお姉さん、何してるの?」

「おねえさん!?」

「うん、お姉さん。何で金髪がどうとか言ってたの?」
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:41:49.42 ID:U3uWc7f60
「それで、どうしたの?私に何か用かしら?」

「あのね、ミキが髪の色どうしようかな〜って考えてたら、お姉さんが『金髪がいい』って言うから、なんでなのか聞きに来たの」

「ああ、その話ね。いい?金髪っていうのは、男の子でさえもかわいく見せてしまうのよ。美希ちゃんは音楽家にメンデルスゾーンっていう人がいるのは知ってるかしら?」
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:43:39.30 ID:U3uWc7f60
「ふうん、確かにかわいいと思うな。でも、金髪になったミキの方が凄いよ?」

雑誌を見た美希が自慢げに言うと、小鳥は笑って言った。

「美希ちゃんみたいな若い子が金髪にするのは、早いと思うわよ?」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:44:59.92 ID:U3uWc7f60
美希は小鳥をおいて店を出ると、美容室へと向かった。
美希はマイペースな性格ではあったが、同年代の少年少女と同様、やめておけと言われるとやりたくなってしまう天邪鬼な性質も持ち合わせていた。

「それに、こういうのはちょっとしたきっかけで決めるのが一番なの」

以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:46:52.38 ID:U3uWc7f60
「こらっ。学校もあるのに、金髪にしたらだめでしょ?」

「ひゃぁっ!」

美希は後ろからふいに肩をつかまれて、思わず声をあげた。振り向いて小鳥だと確認すると、美希は恨めしそうに小鳥を見つめた。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:48:40.54 ID:U3uWc7f60
「ダメよ小鳥、ここは大人としての威厳をしっかり見せないと。」

小鳥は首を小刻みに振ると、きっぱりと言った。

「なおさらいけないわ。ご両親が何て言うか」
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17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:51:37.99 ID:U3uWc7f60
「美希ちゃん、すごく似合っているわ……」

「ありがとうなの。ミキも、すごくいい感じだって思うな。美容師のお姉さんのおかげだね」

美容師の感嘆を背に、美希はにっこりと笑った。
以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:53:26.02 ID:U3uWc7f60
美希の髪染めが終わり、店を出た頃には、空は真っ暗になっていた。

「美希ちゃん、もう遅いし、帰った方がいいんじゃない?」

「うん。小鳥、また一緒に遊べる?」
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:54:47.60 ID:U3uWc7f60
美希の家族は、彼女の予想通り、驚くほど平然と髪色の変化を受け入れた。両親は美希の髪を受容するばかりか、二人そろって褒めちぎるのであった。

「ミキね、最初はどの色にしようか迷ってたの。でも、小鳥っていうお姉さんが美希の髪の色を決めてくれたんだよ」

美希も嬉しそうに両親に髪の色を変えたきっかけを報告するのであった。
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 21:57:05.15 ID:U3uWc7f60
また、学校でも美希の金髪は黙認されるに至った。
黙認こそされていたものの、生徒の間では教員は会議を開いて美希の髪について審議したという噂が流れていた。
しかし、話に尾ひれがついたのか、
「保守的な教頭が反対していたが、一部教員から『美希が机に突っ伏しているときの姿がまるで巨大な金色の毛虫に見え、えもいわれぬ癒しである、これをなくしてしまうのはもったいない』と猛反対され、そのまま押し切られた」
という嘘か本当かも分からない内容になっており、真相は藪の中となってしまっている。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:01:03.73 ID:U3uWc7f60
「小鳥、久しぶりだね。あと、そこの人、こんにちは」

喫茶店で小鳥に話しかける美希であったが、今回は小鳥のほかにもう一人の女性がいた。
その女性は青と白の縞模様のブラウスにスカートといういでたちで、何よりも目を引くのは眼鏡の奥の大きな瞳であった。
その瞳は聡明そうな印象を与えた。そして、まっすぐに射貫くような視線は思わず身構えてしまう力を持っていた。
以下略



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