29:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:17:51.02 ID:U3uWc7f60
「律子……さん、さっきの女の子は誰なの?」
美希が訊くと、律子は得意そうに答えた。
「うちの事務所の如月千早よ。会いに行く?」
30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:19:50.18 ID:U3uWc7f60
「お疲れさま、千早ちゃん。調子よさそうだったわね」
「音無さん、お疲れ様です。おかげさまで、納得いく仕上がりだったと思います」
「千早、お疲れさま。今日は大勢で押し掛ける形になっちゃったけど、ごめんね。美希、自己紹介しなさい」
31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:21:35.20 ID:U3uWc7f60
「ありがとう、星井さんも事務所に入るの?」
「ミキでいいよ。ミキはね、まだ事務所に入ってないの。最初は入るつもりもなかったんだけど、千早さんの歌を聞いてからは入ってもいいなって思ってるよ」
美希が言うと、隣にいた律子が口を挟んだ。
32:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:23:33.97 ID:U3uWc7f60
「律子さん、それって本人の前で言っちゃダメなんじゃ……」
小鳥がおずおずと指摘すると、律子はしまった、というような顔をした。
「ま、まあそんな話はともかくとして、美希、さっき言ってたキラキラって何?」
33:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:27:47.59 ID:U3uWc7f60
「気にしないで。すぐに支度できるわ」
千早が答え、間もなく三人は楽屋から出た。楽屋の外で待つ三人だったが、出し抜けに律子が美希を呼んだ。
「そうだ、美希」
34:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:30:09.97 ID:U3uWc7f60
「うん……あの、小鳥さん、律子さん!!」
美希が珍しくまじめくさった態度をとったので、二人は物珍しそうに美希を見た。
「ミキ……私を、765プロに入れてください!私、がんばりますから……なの」
35:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:31:48.81 ID:U3uWc7f60
「とにかく、親御さんの了解もなしにいきなり契約なんかしたら警察沙汰になるでしょう?美希の家には後々社長と私たちどちらかが挨拶に行くから、その時まで待ってなさい」
律子が言うと、小鳥も続いた。
「美希ちゃんはもう765プロの仲間だから、困ったことがあったらいつでも言ってね。そういえば、千早ちゃんは準備できたかしら?」
36:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:33:27.05 ID:U3uWc7f60
十二月近くにもなると日も短い。美希が空を見上げると、東の空は藍色に染まりつつあった。
「ねえ律子、さん、アイドルって普段何してるの?昼寝?」
美希が尋ねると、律子は呆れたように答えた。
37:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:35:19.52 ID:U3uWc7f60
「わかったの。それじゃ、律子……さん、千早さん、ばいばい!」
美希は元気に挨拶して、小鳥とともに駅の方へ歩いて行った。
残された律子と千早は、しばらくの間歩き去る二人の後姿を見つめていた。
やがて、律子が口を開いた。
38:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:36:56.03 ID:U3uWc7f60
「あ、そういうことね。それなら大丈夫よ。誰かがしっかり見張っていれば」
「そうね……千早、私が美希のプロデューサーになれば、美希はトップアイドルになれると思う?」
律子は先に述べたようにプロデューサー志望である。
39:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:38:51.38 ID:U3uWc7f60
「律子がプロデューサーじゃ駄目だと思うわ。だって律子、美希に甘いじゃない。」
「私が美希に甘い?」
「ええ。甘いというよりは、厳しくないと言った方が正確かもしれないわね。でも、ほとんどの人は美希に厳しくするなんてできないと思う。だってあんなにかわいいじゃない。よっぽどの鈍感じゃないと、美希に厳しくするなんて無理よ。レッスンの時も、トレーナーが美希に全力を出させることができるか疑問ね」
40:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:40:23.97 ID:U3uWc7f60
千早は、律子が厳しくないと言ったが、本心ではたとえ美希に対してであっても厳しい指導を行い、トップアイドルにする力があると思っていた。
それでも律子が美希のプロデュースに向かないと言ったのは、律子がアイドルをしている姿が好きだったからだ。
千早が事務所に入ってきた初め、事務所を支えていたのは律子だった。
当初は、千早には律子がはるか遠くの偉大な人物に思えたものだ。
41:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:41:43.06 ID:U3uWc7f60
「そうね、美希のプロデュースは諦めるわ。それにしても、社長はいつになったらプロデューサーを見つけてくるのかしら。私が美希をプロデュースしないなら、なおさら早く見つけてきてほしいものね」
「ふふ、そうね。それじゃ律子、そろそろ事務所に行きましょう」
二人はもう何度目になるかという、いつになっても現れない新しいプロデューサーの話をしつつ、事務所へと向かった。
42:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:43:13.22 ID:U3uWc7f60
律子と千早が話していたころ、美希と小鳥は並んで歩いていた。
「ねえ小鳥、事務所にはどんな人がいるの?」
「いろんな子がいるわよ。そうだ、最近美希ちゃんと同い年の子が事務所に入ったの。不器用だけど、しっかり者ですごく優しい子なのよ」
43:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:46:01.08 ID:U3uWc7f60
「そうだ、美希ちゃん、お姉さんと765プロのかけ声やりましょう」
駅前に到着すると、小鳥は思い出したかのように言った。
「アハッ、おもしろそうだね。どんなの?」
44:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:47:48.55 ID:U3uWc7f60
「はっ、住所を聞かないと挨拶に行けないわ!」
「そういえばそうなの。うっかりしてたね」
住所確認という、最も大事なことを忘れかける小鳥であった。
45:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 23:02:08.64 ID:U3uWc7f60
小鳥と別れ、電車に乗った美希は、今の自分を思った。
アイドルとしての第一歩を踏み出した自分。
今の美希にとっては、翌日には優先順位が逆転しているにせよ、一にアイドル、二に睡眠である。
睡眠よりも夢中になれるかもしれないことを見つけた美希は、幸せな気持ちだった。
46:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 23:04:43.22 ID:U3uWc7f60
遅ればせながら、美希さん誕生日おめでとうございました
納期も守れない私は、穴掘って埋まっておきます。
以上
47:名無しNIPPER[sage]
2015/11/24(火) 23:10:54.89 ID:GMBXn1ZZo
乙です
48:名無しNIPPER[sage]
2015/11/25(水) 00:40:34.36 ID:mi4nfNPlo
乙でした
すごく丁寧なSSで読んでいて楽しかった
49:名無しNIPPER[sage]
2015/11/28(土) 00:41:46.68 ID:mi+2EyVw0
入社後
P「美希コラ、もっとしゃぶれや」
美希「んぷっ...ぬぷっ...れろぉっ」
P「あ^〜気持ちい〜wwww射精したら次はそのマンコに入れっかんなww今のうちに濡らしとけ」
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