過去ログ - 唯「わたしがオバさんになっても」
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72:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:58:56.67 ID:jnRZeB6L0
「唯」
「え?」
73:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:59:33.97 ID:jnRZeB6L0
「だから唯だってば」
冗談にしてもそう出られるとは思っていなくて、掴んだサブトンの端から右手が離れた。
74:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:00:07.38 ID:jnRZeB6L0
「話は合うし、一緒にバカやってくれるし、わたしのことわかってくれるし、楽しいし」
指を折りながらりっちゃんは喋り続けた。
75:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:01:10.66 ID:jnRZeB6L0
「もし…もしも、の話だけど、わたしか唯のどっちかが男だったら、とっくに唯にプロポーズしてたかもな。
あ、これ昔似たよーなことムギに言われたっけ?」
76:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:01:57.09 ID:jnRZeB6L0
「…あ、ごめん。つまんないこと言って。
わり。わたし、トイレ」
77:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:02:36.79 ID:jnRZeB6L0
「さっきの」
「・・・」
78:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:03:45.36 ID:jnRZeB6L0
りっちゃんは黙ったままなかなか答えてくれなかった。
だけど目を逸らそうともしなかった。だからわたしは待った。
待つのは慣れてるつもりだから。
79:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:04:26.12 ID:jnRZeB6L0
5分? 3分? 1分?
いや、30秒かもしれないし、10秒…いや5秒くらいだったかも。
80:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:05:05.61 ID:jnRZeB6L0
時間の感覚がわかんなくって、それは永遠みたいに長く感じた。
その間心臓はドクンドクン鳴りっぱなしで落ち着かない。
81:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:05:36.65 ID:jnRZeB6L0
大きく息を吸って、吐いてを繰り返す。
狭い部屋の中に、わたしの呼吸音だけが響く。
今いる場所が高い山の上みたいに酸素の薄いところに思えた。
82:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 23:06:24.57 ID:jnRZeB6L0
りっちゃんが息する音が聞こえない。
だけどもふたり、見つめ合ったまま。
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