過去ログ - 晶葉「どうにも私は、恋をしているらしい」
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3: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:05:30.03 ID:NjB6h2Aj0
        ※        ※        ※

「はぁー……晶葉しゃん、恋ばしよっとね?」

事務所のソファに背もたれうだうだと体を揺らしていた私の話を聞いて、上田鈴帆が大げさ目に息を吐いた。
彼女は私がアイドル活動を開始して少ししてから知り合い、それ以来苦労を共にする仲間の一人だ。
遠く九州からアイドルになって人を笑顔にするために来たという、気骨溢れる私の友達だ。

「相手はやっぱり、ウチらのPしゃんよね? 晶葉しゃん、よく近くにおったもんねぇ」

「そ、そんなに近い所に居ただろうか?」

「うんっ、頼子しゃんも言うとったよ。Pしゃんの隣は晶葉しゃんの特等席ばいって」

「頼子まで……」

頼子というのも私のアイドル仲間で友達の、古澤頼子の事だ。博識で、特に美術に関して造詣が深い才女だ。

「けど、そっかぁ」

鈴帆が伸びをした。何か重い着物を脱いだような、大きな手振りを添えて。

「よかったね、晶葉しゃん!」

太陽のような笑顔だった。

「ウチ、晶葉しゃんの恋を全力で応援するばいっ! Pしゃんにも、晶葉しゃんにも幸せになって欲しかけんね!」

「こ、声が大きい!」

今、事務所には私と鈴帆の二人だけだったが、それでも必死になってしまったのは気恥ずかしさからだろうか。
少しだけ、二の腕に寒気が奔ったような気がした。



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