過去ログ - 遠回りをしすぎた僕たち
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2:名無しNIPPER
2015/11/30(月) 22:41:55.25 ID:toMlCW8y0
僕はとある田舎の裕福とも貧乏とも言えない家に生まれた。
その家庭にしては第一子。長男として誕生した僕は両親にとても愛されていたと思う。思うというのはそのころの記憶など残っているはずもなく、のちに写真などで見た光景をみて想像している。
もしかしたらカメラの前だけでは幸せそうな顔をさせられているだけで本当は虐待を受けていたかもしれない。なんて妄想をしだしたら止まらないのでこのへんで止めておこうと思うけれど。

そんな両親に愛されて育ったであろう僕という人間はとにかく両親と距離を置くこと、特に母親と少しの時間会えなくなると泣いてしまうほど弱い、この頃には存在しない言葉かもしれないが、いわゆるマザコンという病にかかっていたからかもしれない。

そんな僕も、ついに親元を離れる時が来たのだ。なんて言うと高校を卒業した学生の一人暮らしや、結婚して愛する人と同じ家に住むために家を出ていくと言った話になるかもしれないが、話はそんなに一気に進んだりしない。
ここでいう、親元を離れるというのはいわゆる保育園に入園することを指している。僕は先も申した通り、母親と離れることに異常なまでの拒絶反応を示してしまう。とはいっても泣いてしまってどうしようもないという状況に陥るだけなのだが。

しかし、行きなさいと言われたら行くのがその時の僕であった。車で保育園まで送ってもらいその後一人で保育園の入口のアーチ状の門を通る。
だが、その時の僕はその門を通る前に泣いてしまうほど弱い人間であった。
母親もさぞ困ったことであろう。今はあるがどうかはわからないが、僕の通っていた保育園にはその日、保育園に行ったということを証明をするためにカレンダー用な連絡帳に毎日、先生からシールを張ってもらうことが義務付けられていた。
今そのカレンダーを見るとぞっとするのだが、僕の連絡帳にはひと月丸々シールが貼られていない月が存在したりしていた。
今思えば今僕のサボり癖とまではいかないけれど、何かから逃げてしまう性格はこの頃に仕上がっていたのかもしれない。

しかし、そんな僕の連絡帳のシールが毎日貼られるようになったのはあの頃からであったであろうか。
といっても僕はその出来事も、毎日シールが貼られるようになった日付も覚えてはいないのだけれど。


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