過去ログ - 三船美優「青いメモリー」
1- 20
15:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:18:31.75 ID:i64BYL/V0

「心さん、レッスンは中止です」
「ううっ…なんだか気持ち悪くなってきた…口からはぁとが出る…」
「そ、外行きましょう!」
「はぁとくんリバース!」
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:19:49.00 ID:i64BYL/V0

**

 他の子のレッスンのジャマしちゃ悪いからと、私と心さんは近くの公園まできました。
 最悪路上に吐いてもいいっしょ☆なんて軽口を叩いてましたけど。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:21:03.10 ID:i64BYL/V0

 秋も終わりに近いのか、歩いた後には落ち葉の足跡ができました。
 二人の足跡が点々と、ときどきフラフラと。

「……よし!」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:22:43.16 ID:i64BYL/V0

 ベンチに落ちていた葉を払って、心さんは体重を預けます。
 私もそれに合わせて、少しだけ距離を空けて座りました。

「…美優ちゃんはさ」
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:23:32.39 ID:i64BYL/V0

「なにがあっても、全部受け入れちゃうカンジよ」
「あぁ…この事務所にきてから、色んなことがありましたからね…」
「がおー☆とか?」
「そうです、がおー…とか」
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:24:56.58 ID:i64BYL/V0

 私は、振り返る。
 例えば、あのトラ柄の衣装を着たとき。
 最初は戸惑ったけれど、いつの間にか楽しくなったりして。
 例えば、雨に降られて撮影したとき。
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:25:39.63 ID:i64BYL/V0

「みんなから色んなことを教わって、自分じゃ絶対にやらないこともやってみて…新しい私になってるなって、思ったんです」

 次はどんな私になれるんだろう。
 …ちょっとだけ期待してるんですよ、プロデューサーさんにも、心さんにも。
以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:27:07.54 ID:i64BYL/V0

「楽しくて、しかたないんです…本当に」
「なるほど。だから、はぁとの無茶振りにも応えちゃうんだ」

 もちろん、限度はありますよ。
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:28:24.39 ID:i64BYL/V0

 心さんは後悔しない。
 強い自分が好きだから、後悔しない。
 私は――

以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:29:09.44 ID:i64BYL/V0

「…私は後悔しながら、生きてます」
「知ってる」

 はぁとも似たようなもんだしと、心さんは私の肩に頭を預けます。
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2015/11/30(月) 23:30:40.90 ID:i64BYL/V0

 お互い言葉を発さずに、遠くで聞こえる喧騒に耳を傾けて。
 ほのかな秋の香りと、冬を待つ風に体を震わせながら。
 ――遠い季節を、巡っていく。
 どれだけ新しい自分になっても、忘れられないものがあるんです。
以下略



40Res/17.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice