過去ログ - 水本ゆかり「背中を押してください。それだけで十分です――」
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21:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:49:10.55 ID:FYmHJbMQ0
「うむ、そうだ。理論と実践は違うが、実践を重視するのはコスト計算を見積もるからだ。1960年代に生まれた理論が2000年代になって実践できるようになることもある。実現できない事を無駄というのは研究ではないのだ」

今は渋谷を歩いています。

道すがら、岐路に立っている自分の心情についてお伝えした所、研究の道を進むとはどういうことか教えてもらっています。
以下略



22:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:49:38.74 ID:FYmHJbMQ0
「無駄をすることも、研究……なのですか?」
「そうだ。実学に偏るだけでは研究と繋がらない。私も大小様々な揶揄を受けるアイドルである以上、利益に通じるのか、費用対効果、リターンを求める姿勢も理解している。だが、基金の形で役に立ちそうもない研究を支援する存在もいる。研究の道も一つではない」
「難しいものなのですね」
「思いもよらない場所で、思いもよらない使い方をすることもある。例えば、ライトノベルに出てくる豆知識も、今と昔では深化することがあったりする。正しくない事も多いが、正確に伝え続けるだけでは面白くないからな。私がアイドルをしている理由の一つでもある」
「アイドルをすることで、自分の研究を面白く伝えようとしている……ということですか?」
以下略



23:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:50:11.44 ID:FYmHJbMQ0

天才科学者の凄みを見せながら語る彼女は、アイドルを楽しんでいるわけではない――と相談している身でありながら錯覚してしまう様な姿でした。
ですが、彼女の抑揚と音階は、私ではない誰かへ話しかけているようでもありました。

内に隠した親愛を伝えている様に――――
以下略



24:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:50:43.83 ID:FYmHJbMQ0
「……ふふ」
思わず笑みがこぼれます。

「む、どうした?」
怪訝な顔をする晶葉さんに飾らずに伝えます。
以下略



25:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:51:12.78 ID:FYmHJbMQ0

晶葉さんの言葉は温かくて、強い。
惚気にしか聞こえないけれども、しっかりと私を励ましてくれている。



26:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:51:38.52 ID:FYmHJbMQ0
「むむむ……。思ったより強かだな。こうなったら勉強代としてそれなりのものを負担させてやるとしよう」
「晶葉さんはクレープがお好きでしたね。原宿にいいクレープ屋さんがありますよ。凸レーションの皆様が利用されたということで、話題の場所です」
「リサーチ済みとは、ますます侮れんな」
「ふふ、私は友達に恵まれていますから」

以下略



27:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:52:04.51 ID:FYmHJbMQ0
晶葉さんは科学者でありアイドルであるということを、何一つ諦めていない。

信頼できる存在と共に、力強く道を進んでいく。
その在り方は――きっと、私にも出来る。

以下略



28:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:52:42.74 ID:FYmHJbMQ0
「お二人とも輝いていて……私も見習わなくては」

そろそろおやつ時。
レッスン終わりの事務所で、一人決意を新たにしています。

以下略



29:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:53:09.75 ID:FYmHJbMQ0
新たな課題に直面していると徐にドアが開きました。

椎名法子ちゃん。

ドーナツを手にした、明るい笑顔と迸る情熱、気が回る性格で実は秘かに目標にしています。


30:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:53:42.18 ID:FYmHJbMQ0
「ゆかりちゃん、一緒にあそぼ―」
「そうですね。今日はレッスンも終わりましたし、沢山遊べます。何をします?」
「輪投げ!ドーナツみたいでしょ!」

秋なので輪投げです。
以下略



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