222: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/01/12(火) 23:56:27.28 ID:XXo+gIkc0
「……どうしてですか? 少尉」
「貴方も死ぬかもしれないんですよ」
こちらの不退転の覚悟を読み取ったのか、気勢のそがれた野田は語気を弱める
「それでも、逃げる訳には行かない」
「俺達が逃げたら誰が彼女たちを守るというんだ?」
「何を馬鹿なことを……!」
「ただの軍艦で艦娘を守るなんて無理だ」
「逃げなきゃ、俺達までやられるんですよ」
「無理かどうかはやってみなくちゃ分からない」
「それに、何時かは倒さなければいけない相手だ」
「こんなところで逃げるわけには行かない」
「逃げなかったとしても、死んだらそれでおしまいです」
自分を連れてくるように命ぜられためか、野田も反駁をやめない
だが、説得が出来そうにないことを悟り始めたのか、次第に口調は弱々しくなっていった
口数が少なくなってきた頃合いを見計らい、最後の台詞を叩き付ける
「とにかく、俺は逃げるつもりは無い」
「彼女たちをおとりにして逃げるなど、帝国軍人の名折れだ」
「これから艦橋へ行って艦長と話を付けてくる」
野田は反論するでもなく、下を向いて押し黙っていた
こちらの意見を肯定したのか、それとも否定することをあきらめたのか、それだけでは分からない
だが、こうしている間にも、後方で戦っている艦娘たちはその身を危険に晒している
彼女たちに加勢するなら、無駄な時間を割く訳にはいかなった
棒立ちになっている野田をその場に、艦橋へと乗り込むことにした
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