442: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/03(日) 22:43:55.12 ID:S7IZuXaP0
束の間に天を仰いだ中佐は再び視線を戻してこちらをまっすぐに見つめる
流石に基地の1つの切り盛りを任されているほどの人物である
先ほどまでの懸念を拭い去り、1人の部下が提示した案を評価し、見定める顔に戻っていた
「これから自分が鎮守府まで行きます」
「そこで何が起こっているのかを解明して、それから出撃の判断を下します」
「門前払いかも知れないぞ?」
「自分は何度も向こうに足を運んでいます」
「相手が本条大尉でも……何とかしてみます」
こちらの言い分を聞き、目の前の男はしばらく黙りこむ
そして、冷め切っているであろう飲みかけの紅茶を一気にあおる
カップに残っていた液体を喉奥へ追いやると、静かに口を開いた
「……分かった」
「無駄かも知れんが、俺の方でも話は通しておく」
「向こうが何を考えてるのか掴んで来い」
「はっ、了解しました!」
「こっちはこっちで戦闘配備を敷いておく」
「今からなら4時間もあれば全てが整うはずだ」
「話が付かなくても、取りあえずそれまでに一度戻ってこい」
「そうなったら防衛隊の方で出撃の判断を下す」
五十嵐中佐の言葉を受けて、体が自然と敬礼の動作を行う
こちらの意を汲み敬礼を返してくる上官に一礼し、踵を返して扉へと向かう
背後からはダイアルを回して電話をかける音が聞こえてきた
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