446: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/10(日) 23:14:43.48 ID:bONm3BLJ0
「少尉、君嶋少尉!」
自分の名を呼ぶ声にハッと我に返る
出発してからの記憶が曖昧になっているせいで、どれぐらいの時間が経ったのか分からなかった
頭の中にはけたたましいスリップの音と壊れそうな位にエンジンを蒸かす音が鳴り響いている
「着きました」
「鎮守府の司令部の前です」
未だに白と赤の光がチカチカと点滅する幻覚を見ているなか、到着を知らせる声が聞こえた
軽く頭を振った視界の端には助手席の向こう側を眺める日下部の姿が映る
彼の視線を追った先にはガス灯に照らされたレンガ造りの建屋と、その入り口に立っている何者かの人影があった
「迎えも来てるみたいっすね」
「早く行った方が良いんじゃないですか?」
「ああ……そうだな」
ようやく戻ってきた体の感覚を確かめながらシートベルトの留め具を外す
いざドアを開けようとノブに手を掛けたとき、横から同じく留め金を外す音が響くのを耳にする
半身捻った状態で振り向くと日下部が留め具から外したシートベルトを手にした姿が目に入ったので、慌てて制止する
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