448: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/10(日) 23:16:53.48 ID:bONm3BLJ0
コツコツと靴音を響かせながら足早に入り口まで足を運ぶ
乗ってきた車のエンジン音が遠くなり、代わりに建物から漏れる光が足元を照らしはじめた
入り口へ向かうこちらの姿を確認したのか、先ほどから待機していた人影も自分の方へ近寄ってきた
夜の闇からすっかりと抜けだし、お互いの全身が白熱灯の光に包まれるまで近づくと、
「君嶋少尉さんなのですか?」
目の前には夜半の海軍施設には不釣り合いな少女の姿があった
突然出てきた少女に少し困惑する
もちろん頭の中では彼女が何者で、どういう目的でここにいるかも分かってはいた
しかし、在りし日の海軍で育った自分にはどうにも違和感を拭えない光景である
「あ、ああ……」
そんな動揺が表に出たのか、我ながらそっけない言葉で返事をする
だが、少女はこちらの動揺など知った事ではないという調子で、身元について2、3質問を浴びせてくる
それらに軽く答え、さっさと建物の中に入ってしまおうと歩を進めるが、
「それじゃあ、こっちなのです」
機敏な動きで前を取られ、そのまま彼女に先導される立場になってしまう
彼女も任務として自分の対応を任されているのだろうが、その姿はやはり子供にしか見えない
どうにも違和感を拭えなかったが、黙ってその後を追った
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