過去ログ - 軍人たちの艦隊コレクション
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477: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/25(月) 23:03:14.39 ID:FN+t7kdx0

  「自分が行きます」


 気づけば、一歩前に踏み出してそう言っていた

 頭で考えるよりも早く体が勝手に行動を開始していたようだ

 突然の申し出に2人がこちらに振り向くが、お構いなしに先を続ける


  「兵科の人間と一緒に搬出をやります」

  「彼らの力を借りれば出来るはずです」


 そんな自分の出方に予想は付いていたのだろうか、


  「やっぱり、そう言い出すよな」


 机の向こうの中佐は、特に驚いた顔もせずにその場で隊員を招集する放送を始めた

 その様子を見つめながら、黙って目の前の上官に敬礼をする

 それが今の自分にできる最大限の感謝の印であった


  「俺はクレーンの方をどうにかする」

  「人手の確保はお前に任せた」

  
 すると、今度は後ろから宗方の声がかかる

 反射的に振り向くが、既に部屋を後にしようとする背中しか見えなかった


  「行かなくていいのか? 時間は待ってくれないぞ」


 後手に回った自分をからかっているのだろう、冗談が混じり口調で中佐が話しかけてくる

 確かに許された時間はあまり多くは無い

 すぐさま居住まいを正すと、再び敬礼をして足早に部屋を後にした



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