530: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/05/29(日) 23:07:25.95 ID:3rTWVY4V0
『なら……どうして奴は何もしてこない』
『迎撃したってなら、とっくに攻撃してきてもおかしくないぞ』
数秒の沈黙が流れ、やっと反論の声が上がる
それはこちらの通信機越しに話を聞いていた宗方のものだった
深海棲艦との交戦を指示した指揮官としてはその主張を信じたい
だが、野田の話も十分に筋が通っているように感じられた
正体不明の生物とはいえ、奴らには統率のとれた行動が出来るだけの知能と合理性を持っている
それこそが帝国海軍を追い詰め、艦艇による戦略的行動を不可能とした最大の理由だ
だとすれば、攻撃を凌いだ敵が攻撃してこない理由は?
攻撃に回すだけの力が残っていないのか、それとも……
「機会をうかがっている」
自然と出てきた言葉に『その可能性が高いです』と、野田は付け加える
あまりにきっぱりとした答えに誰も反論する者はいなかった
むしろ、相手を考えればそれぐらい用心に越したことはない
そんな気にさせる言い方だった
『だから、攻撃を止める訳には行きません』
こちらの空気が変わったことを察しのか、野田は先を続ける
そして、
『もう一度、一斉射撃をするべきです!』
敵への斉射攻撃の再開を求めた
666Res/619.58 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。