573: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/07/18(月) 21:06:16.60 ID:+WK9hsMD0
「当然だが……このままでは当初の目的である味方の救出は絶望的だ」
「本艦を見失った敵艦の狙いは救出目標へと移る可能性が極めて高い」
「そこで、敵の陽動と味方の救出を同時に決行する」
敵の陽動と味方の救出の二正面作戦
救命艇を用いて彼女の救出を行い、それが終了するまで捨て身の攻撃を決行する
奴らも捨て身で自分たちのような戦力外を相手にするような馬鹿ではない、主力級が単独で深手を負うことがあれば、撤退を選択するはずだ
敵がこちらの思惑通りに行動する保証も、救命艇が彼女に辿りつける保証も、自分たちが持ちこたえられる保証もない、無い無いづくしの大博打だった
だが、それでも不思議と失敗する未来は見えなかった
仙田の暴走で思いついた時から、心の中でこれと決まっていたのかも知れない
作戦のあらましを説明し、再び通信機を執る
「最後に言っておくが……」
「指揮官としての俺はこの作戦に反対だ」
「陽動とはいっても、敵主力級に捨て身の覚悟で攻撃することは変わりない」
「はっきり言って……ここに残った者に命の保証は出来ない」
自分の声が予想以上に冷たく響く
死の宣告とは、思っているよりも重く冷たいモノなのかと再認識される
だが、それでもここで話を切るわけには行かない
通信機を握る腕に力を込めながら、館内放送を続ける
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