579: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/08/08(月) 20:58:29.24 ID:p+28Bi1I0
仙田たちを見送ってから5分
あれから艦橋へ無線も救命艇が切り離されたという報告もない
動きがあるとすれば、時折り敵が発砲する砲弾が近くの海面に着弾するだけだった
「少尉」
我慢できなくなった船員の1人から、自分を呼びかける声がする
彼の言いたいことは分かっていた
もう十分に待ったのだから、戦闘を再開しろということだろう
「……出て行ったのは?」
しかし、彼の求める返答はせず、発艦した救命艇の数を尋ね返す
「仙田一等の一艘のみです」
目の前の計器を軽く確認した彼はきっぱりと答える
想定してどおりの返答
彼に聞くまでもなく分かり切っていたことだ
「分かった。ありがとう」
彼に礼を言い、今度は小林の方へ目をやる
いつ入電がきても良いように待機していた彼は気配を察してこちらを振り向く
そして、こちらが問いかけるまでもなく
「いえ……」
首を横に振る
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