580: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/08/08(月) 20:59:44.60 ID:p+28Bi1I0
「……そうか」
その返事に短く嘆息を漏らし、天井を仰ぐ
どうやら、この船に乗っている人間は余程の命知らずか根っからの軍人らしい
彼女の救出へ向かった仙田と一之瀬以外、誰も船から降りようとしなかった
果たしてこれは己の人望のなした業なのか、それともただでは沈ませないという皆の意地の表れなのか、本当のところは分からない
だだ、1つだけハッキリしていることがあるとすれば、
(絶対に生きて帰ってみせる)
という決意が芽生えたことだった
「少尉!」
不意に井上がこちらの名を呼ぶ声がする
呆けていた意識を元に戻して前方に向き直る
「ご命令を」
視線の先には、半分こちらへと向き直った井上の横顔が映った
もう少しぐらい黄昏ていたかったところだが、そうも言ってはいられないらしい
自分の指示を待ちわびている皆の気持ちに応えるべく、口を開く
「進路、80度から260度」
「両弦全速前進」
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