585: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/08/08(月) 21:21:27.32 ID:p+28Bi1I0
『4分』という、彼の答えに思考を巡らせる
今、自分たちを乗せた船は南西方向に向けて旋回中だ
この進路を取り続ければ敵の右側面に突っ込む形となり、主砲の必中圏内に敵を捉えることが出来る
だが、旋回をしている間、敵はこちらの右側面を見ながら行動することになる
つまり、旋回が終わるまでの4分間、こちらの土手っ腹を敵艦に晒すことになるのだ
(どうにか、それまで敵の砲火を凌げれば)
敵に接近さえできてしまえば方法はいくらでもある
いくら敵がこちらを遥かに凌駕する機動力を持っていたとしても、面制圧力と火力ではこちらが勝っている
敵の主力級なだけに油断はならないが、近距離ならば機動力を持った敵にも何かしらの有効打を与えられるはず
そうなれば、敵がよっぽどの戦闘狂でもない限り交戦を打ち切るはずだ
奴らがどんな考えで船を動かしているのかは分からないが、作戦外の戦闘で主力艦が大破する危険を冒してまで戦闘を継続するとは考えにくい
「砲撃確認! 着弾します」
大久保の声に考えを妨げられる
その直後、割れんばかりの轟音が鳴り響き、打ち上げられた波が砕ける飛沫の音が聞こえる
「右舷後方に着弾を確認!」
「本艦に被害はありません」
敵の砲撃は一層の激しさを増している
現状では小破状態で留まっているが、次に船体に直撃を受けたら戦闘不能に陥る公算が高い
つまり、この後の4分をどうやり過ごすかがこの場を切り抜けるカギだろう
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