過去ログ - 軍人たちの艦隊コレクション
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590: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/08/27(土) 20:42:57.02 ID:lyQ0MxM40

  (……生きている?)


 冷たい床の感覚から、生の実感を得る

 今度こそ死を覚悟しただけに、少しの間虚を突かれて、その場に伏していた

 次第に打ち付けた右肩がじんじんと痛み始め、現実に引き戻される

 痛めた肩を庇いながら、近くの計器盤を支えに上体を引き起こす
 

  「……少尉」


 声がする方には頭を押さえた大久保の姿があった

 今ので切ってしまったのだろうか、右頬から赤い血を流していた


  「敵弾はブリッジ右側面に着弾」

  「損傷、軽微……不発弾です」


 こちらの顔を確認した彼は敵弾の不発を報告をする

 どうやら、まだ天には見放されていない

 本来なら致命の一撃であるが、運よく不発弾で一命を取り留めた

 
  「少尉! 非常電話です」

 
 ひとまず生き残ったことに息を付くと、小林の声が響く

 その声に周りの船員たちも我に返ったのだろうか、静まり返っていた艦橋がにわかに活気づく

 井上も、回るに任せていた舵輪をその手に掴み、船の進路を修正し始める

 そんな様子を横目で確認しながら、足早に小林の元へと向かった



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