過去ログ - 軍人たちの艦隊コレクション
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610: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/10/23(日) 09:39:40.73 ID:Jj5KE7Sa0

  (あれが……鬼)

 
 この距離まで近づいて、初めて敵の姿を目の当たりにする

 それは、正しく異形のモノと言って然るべき風貌をしていた

 人の姿と見紛う本体と、そこから幾本もの触手のような器官が伸びている

 大きく迫り出した背部は、艦娘の艤装にあたる部分だろうか、自身の数倍はある砲が空に向かって突き出していた


  『少尉、アレは……』


 耳に当てていたヘッドホンから自分に向けて問いかける声が聞こえる

 そういえば、日下部との通信を繋げたままにしていたか

 いきなりの質問の理由を勝手に納得すると、


  「見ての通り、俺達の敵だ」


 と目の前の敵を眺めながら返事をする

 答えになっていない答えだろうが、自分にも奴が何なのかは詳しく分かっていない

 ただ、1つだけ明らかなのは、水平線に浮かぶあの怪物と自分は戦ってきたということだった


  「……正面4キロ」

  「未だ、攻撃の態勢を崩していません」


 日下部との会話に少し遅れて、大久保が敵の動向を報告する声が聞こえてくる

 今までレーダーサイトで敵の姿を確認し続けていた大久保だったが、生身の敵の異様さに息を飲んでいるのだろうか

 彼の報告にには先ほどまでの覇気を感じられなかった 



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