644: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/12/18(日) 10:12:58.11 ID:543n5fYR0
(悪いな、日下部)
そんな日下部に心の声で謝る
結局、最後の最後まで彼を自分のわがままに突き合わせてしまった
さっきの攻撃で気を失っていれば、とばっちりを受けずに済んだだろう
(でも、最後まで足掻きたいんだ)
ここからの行動は殆ど自己満足に近い
正直言って、この距離では突撃する前に、敵の砲撃を受けて終わりだろう
だが、その光景を黙って見ていることなどできない
例えそれが質の悪いわるあがきだったとしても、やらずに後悔だけはしたくなかった
船首が力強く波をかき分けながら、船はその速力を上げる
急激に加速した船は目の前の敵との距離をみるみる縮めて行く
しかし、それは敵も分かっているのだろう
キラキラと輝いていた砲身の煌めきは、無機質な鈍色へと変化する
それは奴がこの船に狙いを定めたことを意味していた
彼我の距離は約200メートル、今の速度では敵にたどり着くまであと20秒は必要だ
それに対して、奴が発砲に要する時間はほぼゼロ
つまり、狙いが決まる前に敵へ突撃できなかった時点で負けが確定するのだ
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