過去ログ - 少年「アメジストの世界、鯨と踊る」
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40:名無しNIPPER[saga]
2016/02/09(火) 00:20:24.51 ID:NGUgWvew0
「よし、灯った」

ほんのり薄暗い広場に、柔らかい灯が灯ります。

「暖かいね」

「うん」

ゆらり、と揺らめく火に手をかざすと、ほうと暖かく。

二人のかじかんだ指先を、じんわりと癒してくれます。

ふと空を見上げると、無数の光が空を舞っていて。

彼の眼には、それが夜空の灯のように映りました。

「綺麗だなぁ」

「綺麗だね」

今日の夜は、いつもと違う。

寒いけど、とても暖かい。そんな夜。

言葉は必要ありません。

ゆらゆらと。ゆらゆらと。

蝋燭が融けるよりもゆっくりと。

二人の時間は流れて行きます。

「帰ろうか」

「うん」

蝋燭の火を消した二人は、並んで広場に背を向けます。

今日の夜は、いつもと違う。

寒いけど、とても暖かい。

そんな夜。

「あ……見て、流れ星!」


明日も良い事、ありますように。


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