15: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/11(金) 02:07:33.46 ID:wxXgwuIMo
お昼ごはん。フードコートの一角でハンバーガーを齧る。エビカツの甘味とタルタルソースの酸味、キャベツのシャキシャキとした食感が口の中で混じりあう。
味はそこそこ。美味しいが、予想の範疇を超えない。チェーン店なんてそんなものかもしれないが。
ちらりと対面を見る。そこには当然同じようにハンバーガーを口にする穂乃果が居て、楽しそうにニコニコと笑みを浮かべている。
実際、楽しいのだろう。穂乃果は食事を一つの娯楽とみなすタイプだ。栄養が取れればいいなどとは絶対に言わない。
「ん? こっちも食べる?」
こちらの視線に気づいたのか、手に持ったハンバーガーをこちらに差し出してくる。穂乃果のはチキンカツのものだ。一口だけ齧り、こちらのものを差し出す。
「おお、エビカツもなかなか」
「でっしょー?」
などと適度に雑談を交えながら食べていると不意に携帯が鳴った。私のではなく、穂乃果のものだ。
「ちょっと外すね」
流石に雑音がすぎるせいか、穂乃果が席を立ちフードコートから離れていく。そういえば、昨日から家に連絡を入れていない。
入れる必要があるかどうか悩むところだが。まぁしばらく帰る意思がないことと穂乃果に世話になっていることくらいは伝えてもいいだろうか。
遅かれ早かれ連れ戻されるだろうけれど。そうなったらそうなったで、今考えても仕方がない。
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