9: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/11(金) 02:03:55.90 ID:wxXgwuIMo
「やっぱり、真姫ちゃんのピアノはいいね。とっても素敵」
一曲弾き終えると、いつの間にか隣に座っていた穂乃果が拍手をしてくれる。
少し、複雑だ。穂乃果の賞賛を受けられるほどの演奏だっただろうか。
その疑問を口には出さない。返答は決まっているからだ。穂乃果は絶対に私の演奏を否定しない。
だからこそ、不安になるのだが。
「何かリクエスト、ある?」
「じゃあ、ユメノトビラ」
軽く頭を振って思考を切り替える。今は演奏に注力すべきだ。ピアノ演奏の先達として情けのない演奏はできない。
ちらりと穂乃果を覗き見る。真剣な眼差しが私の手元に向かっている。一瞬たりとも見逃しはしないと言いたげに。
好きこそものの上手なれ。穂乃果ほど、この言葉が似合う者はないだろう。
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