過去ログ - 強くてニューゲーム-成瀬順の場合-
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1:名無しNIPPER
2015/12/11(金) 23:00:19.16 ID:ymef2my8O
初めまして、
心が叫びたがってるんだ。の二次創作です。

よろしくお願いします。

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2:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:03:50.57 ID:ymef2my8O
 ふれ交の翌日。太陽の光はいつもより少し眩しかったけど、それでも包み込む様な優しい温もりを持って私を目覚めさせてくれた。
 昨日一日で自分の身に起きたこと、全てに現実感が無く、今ここに自分がいる事でさえまるで夢みたいに感じる。
寝起きの体は固まってしまった泥のように重たいけど、心は朝からスキップをかましてしまいたくなるくらいに軽い。

 全てが変わったとは思わない。
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:05:37.43 ID:ymef2my8O
「あれ?」
部屋のどこを見渡しても制服の冬服がないことに気づいたのはすぐ後の事だった。
おかしい、確かに昨日の時点でいつも通りの場所に用意してそれから眠りについた筈だ。
いくらなんでも今日遅刻するのはまずい。ただでさえ昨日の舞台に遅刻したばかりじゃないか。

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:07:16.45 ID:ymef2my8O
「順!遅刻するわよ、何やってるの!」
階下から母の呼ぶ声がする。
まさかしっかり者の母も私と同じように勘違いをしているのだろうか。
そう思うと自然に頬が上がる。

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:09:48.19 ID:ymef2my8O

「なんで冬服なんて…!はぁ、この子ったら…」
苛立ちと呆れの感情が篭った冷たい声は私を酷く責め立て、言い訳をする時間を与えてはくれなかった。
言われるがままに冬服を脱ぎ捨てると追い立てられる様に家を出る。
覚悟していた程の寒さは感じられず、確かに今日は冬日和と言えるのかもしれない。
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:12:03.12 ID:ymef2my8O

「た、田崎君、おはようございます。あのね、昨日の話なんですけど…」
「あん?」
まだ、多少のぎこちなさを持って声をかけた私に対して、田崎君から返ってきたのは困惑の感情と、威圧するような鋭い眼光だけだった。

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:13:20.70 ID:ymef2my8O
いたたまれなさから逃げる様にその場から走り去ると、教室で自分の席へと着席し携帯を開く。
「うぅ、坂上君、坂上君…!」
何が起きてるのか全く分からない。
携帯を開き半ベソをかきながらもつい彼の名前を探してしまった私は昨日フラれたばかりだという事を思い出す。
そうだ、もう何かあったからって坂上君を頼りには出来ないんだ…
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:14:23.83 ID:ymef2my8O

プツリ、と張り詰めた糸を切った時のような嫌な音が頭の中から聞こえた気がした。



以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:15:18.58 ID:ymef2my8O
【成瀬順は時間を逆行している。】
一度気付いてしまえば、全ての出来事がその事実を裏付けている様に感じ、私はまるでSF小説じみたこの状況から目を逸らすのはむしろ不自然なように思えた。


不思議な気持ちだ。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:19:55.19 ID:ymef2my8O
まずは可愛らしい女の子にならなきゃいけない。
仁藤さんみたく、明るくて女の子らしくて、W玉子の呪いWとかイタい事なんて絶対言わない可愛らしい女の子に。
坂上君が好きなタイプの可愛らしい女の子に。
坂上君の為だったら私はなんでも出来る。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:20:43.27 ID:ymef2my8O





以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:21:27.18 ID:ymef2my8O

(ねぇ坂上君、私をちゃんと見てよ。
あなたにとって私は守ってあげなきゃいけない、もしかしたら妹みたいな存在の女の子だったのかもしれないけれど。
私にとってはそうじゃない。
私にとってあなたはやっと現れた王子様で、
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:26:22.05 ID:ymef2my8O
2話目いきます。


14:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:43:22.81 ID:ymef2my8O
「王子様を待っていたの。」
なおも話し続ける目の前の少女を見ると、きっと自分はからかわれてるのだという思いがよぎる。
もし、からかってるのでなければ彼女はきっと今朝見た夢の話でもしているのだ。

朝、強烈な悪夢を見て目を覚ました少女は、しかしながらいつも通りの日常が目の前にある事に安堵する。
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:45:45.33 ID:ymef2my8O
そうして今、自分は彼女が気分良く1日を送る為の作り話めいた愚痴に付き合わされているのだ。そうとしか考えられない程度には現実離れした話。


それでもその目に不安の色を宿しながらただただ縋るようにして声を絞り出す少女、成瀬順はとうとう坂上拓実が現実から目を背ける事を許してはくれなかった。

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:46:38.73 ID:ymef2my8O





以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:47:55.98 ID:ymef2my8O

「はい、坂上君」
「ん、ありがと」
まるで人形みたいだ。
薄く笑って拓実の分の弁当を差し出す成瀬を見て拓実は少しだけそう思った。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:50:58.89 ID:ymef2my8O
自分では結構書いていたつもりでも、こうして投稿してみるとだいぶ短いもんですね。汗

書き溜めが尽きたので、ひとまずこちらで退散します。

またよろしくお願い致します。


19:名無しNIPPER[sage]
2015/12/13(日) 02:18:07.79 ID:Lnuq9rdCO
見てるぞ
完結まで頼むよ


20:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 21:25:14.39 ID:DBdQeb/6O
>>19さん
ありがとうございます。
もう少しで投げ出す所でした。

続きいきます。


21:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 21:26:06.10 ID:DBdQeb/6O
ひたすらに白い肌、少し長い前髪に覗く、色素の薄い瞳。
加えて小柄な身体も相まって目の前の少女は年相応な可愛さを持っていて、触れれば壊れる繊細さを持っていて、成瀬順は例えるなら西洋のビスクドールに似ていた。



以下略



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