過去ログ - 強くてニューゲーム-成瀬順の場合-
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3:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:05:37.43 ID:ymef2my8O
「あれ?」
部屋のどこを見渡しても制服の冬服がないことに気づいたのはすぐ後の事だった。
おかしい、確かに昨日の時点でいつも通りの場所に用意してそれから眠りについた筈だ。
いくらなんでも今日遅刻するのはまずい。ただでさえ昨日の舞台に遅刻したばかりじゃないか。

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:07:16.45 ID:ymef2my8O
「順!遅刻するわよ、何やってるの!」
階下から母の呼ぶ声がする。
まさかしっかり者の母も私と同じように勘違いをしているのだろうか。
そう思うと自然に頬が上がる。

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:09:48.19 ID:ymef2my8O

「なんで冬服なんて…!はぁ、この子ったら…」
苛立ちと呆れの感情が篭った冷たい声は私を酷く責め立て、言い訳をする時間を与えてはくれなかった。
言われるがままに冬服を脱ぎ捨てると追い立てられる様に家を出る。
覚悟していた程の寒さは感じられず、確かに今日は冬日和と言えるのかもしれない。
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:12:03.12 ID:ymef2my8O

「た、田崎君、おはようございます。あのね、昨日の話なんですけど…」
「あん?」
まだ、多少のぎこちなさを持って声をかけた私に対して、田崎君から返ってきたのは困惑の感情と、威圧するような鋭い眼光だけだった。

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:13:20.70 ID:ymef2my8O
いたたまれなさから逃げる様にその場から走り去ると、教室で自分の席へと着席し携帯を開く。
「うぅ、坂上君、坂上君…!」
何が起きてるのか全く分からない。
携帯を開き半ベソをかきながらもつい彼の名前を探してしまった私は昨日フラれたばかりだという事を思い出す。
そうだ、もう何かあったからって坂上君を頼りには出来ないんだ…
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:14:23.83 ID:ymef2my8O

プツリ、と張り詰めた糸を切った時のような嫌な音が頭の中から聞こえた気がした。



以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:15:18.58 ID:ymef2my8O
【成瀬順は時間を逆行している。】
一度気付いてしまえば、全ての出来事がその事実を裏付けている様に感じ、私はまるでSF小説じみたこの状況から目を逸らすのはむしろ不自然なように思えた。


不思議な気持ちだ。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:19:55.19 ID:ymef2my8O
まずは可愛らしい女の子にならなきゃいけない。
仁藤さんみたく、明るくて女の子らしくて、W玉子の呪いWとかイタい事なんて絶対言わない可愛らしい女の子に。
坂上君が好きなタイプの可愛らしい女の子に。
坂上君の為だったら私はなんでも出来る。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:20:43.27 ID:ymef2my8O





以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:21:27.18 ID:ymef2my8O

(ねぇ坂上君、私をちゃんと見てよ。
あなたにとって私は守ってあげなきゃいけない、もしかしたら妹みたいな存在の女の子だったのかもしれないけれど。
私にとってはそうじゃない。
私にとってあなたはやっと現れた王子様で、
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 23:26:22.05 ID:ymef2my8O
2話目いきます。


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