過去ログ - 強くてニューゲーム-成瀬順の場合-
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32:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:10:42.99 ID:DBdQeb/6O
「違うの。坂上君は仁藤さんを好きじゃないとダメなの、実行委員は4人じゃないとダメなの。」
呟くように成瀬が言う。
ここにきて成瀬の思考回路がまったく理解出来ない。
いや、理解する事に意味がないのだ。
まるでピースの欠けたパズルを完成させようとしている様な、そんな徒労感を感じる。
以下略



33:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:12:12.44 ID:DBdQeb/6O
「…やり直しているの。ふれ交までの日々を、私自身を。」
ある日目が覚めたら1年生の秋だった。と彼女は言う。
「ワクワクしてた。もしかしたら、上手くやれるかも、私さえ上手くやれば色んな事が変わるかもって。」


34:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:14:00.66 ID:DBdQeb/6O
ふいに冬の風が吹く。
彼女の少し長い髪が風に靡き、スカートが風にはためくと白い肌が露わになる。
そんな彼女の姿を見ると、何故だか山の上のお城の事が思い浮かぶ。

去年、廃墟になったホテル。
以下略



35:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:15:45.31 ID:DBdQeb/6O
「最初は良かったの。喋れる様になって、それまでみっともないと言って
私を外に出したがらなかったお母さんは
昔みたいに笑って卵焼きを作ってくれる様になった。でも…」


以下略



36:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:19:17.74 ID:DBdQeb/6O
不思議な程にあっさりと、成瀬の話を受け入れている自分に驚く。

きっと成瀬は壊れたフリをしていたのだろう。
壊れて、全てを受け入れたフリをして
そうしてこの世界で生きてきたのだ。
以下略



37:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:21:30.51 ID:DBdQeb/6O
「っ坂上君、坂上君…」
そう言って成瀬は目を伏せて、拓実の胸に身を預けた。
縋りつく様に絞り出したその声は、"坂上拓実"こそが成瀬順の唯一の支えである事を容易に確信させる。

それならばそれでいいと感じる。
以下略



38:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:23:24.23 ID:DBdQeb/6O

「成瀬…」
未だ自分の胸に身を委ねる成瀬を抱きしめる。
想像してた通りの柔らかさと、ふとした瞬間どこかへ去ってしまいそうな華奢さがある。
トクン、と懐で刻まれる鼓動が離れてしまうのが怖くて、拓実は彼女を強く抱きしめる。
以下略



39:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:24:14.98 ID:DBdQeb/6O
成瀬との恋はきっと自分が今まで望んでいた様なありふれた モノじゃなくて、
むしろ傍で耳をそばだてれば、どろり、と音が聞こえてきそうな仄暗い恋だけれど。

そんな退廃的で、2人で堕ちていくような恋だけれど、
それでも成瀬が自分を共に堕ちる相手として望んでくれるのであれば、


40:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:25:00.89 ID:DBdQeb/6O


それでこの不幸面した少女が少しでも笑ってくれるなら、とそう思うのだ。


以下略



41:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 22:28:19.06 ID:DBdQeb/6O
という話でした。
結局完結までで40レスのショートショートストーリーでした。

ピクシブやブログで趣味で書いてる程度のやつの文章なので、
何か気になる点があればよろしくお願いします。


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