過去ログ - あずさ「流離」
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1: ◆sIPDGEqLDE[sage saga]
2015/12/14(月) 12:15:20.36 ID:19/QbXVV0

石畳の上を、こつ、こつと靴音を鳴らしながら歩く。
鈍色をした石畳の上に、所々赤や黄色い箇所。

イチョウやカエデの落ち葉ね。

道の両脇に、沢山の木々が並び立っている。
並木道の中はとても静か。

「ここは、どこなのかしら?」


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2: ◆sIPDGEqLDE[sage saga]
2015/12/14(月) 12:15:54.61 ID:19/QbXVV0

とても綺麗で穏やかな景色と空間だけれども、今、自分が立っているこの場所が判然としない。
なんとなれば車の音も聞こえない、右も左も分からないまま歩みを進めると、所々にしか無かったイチョウやカエデの落ち葉が、並木道を覆っている。
もしかしたらここは夢の中なのではないか。
そう思ったけれど、黄色や赤の絨毯を踏みしめる感覚が、夢でないことの証明だった。
以下略



3: ◆sIPDGEqLDE[sage saga]
2015/12/14(月) 12:16:22.59 ID:19/QbXVV0

露天風呂から外を眺めると、さっきまで黄色と赤だった景色は一変して、そこから見える景色は白銀の世界。
遠くに見える峰々は、雪化粧を施され、陽の光を浴びながらキラキラと輝いている。

そうしてしばらく景色を眺めて、冷たい外気と温かいお湯を楽しんだ後、旅館を後にした。
以下略



4: ◆sIPDGEqLDE[sage saga]
2015/12/14(月) 12:17:07.97 ID:19/QbXVV0

さっきまで気持ちの良い天気だったのが嘘のように、今は雪がチラついている。
いつの間にか着ていたコートの襟を立て、次第に強くなっていく雪の中、寒さに身を強張らせて歩く。
視界が雪で白く塗りつぶされたかと思ったら、次の瞬間には綺麗な青空に変わっていた。

以下略



5: ◆sIPDGEqLDE[sage saga]
2015/12/14(月) 12:17:34.53 ID:19/QbXVV0
雪の中でも力強く、そして美しく花を開かせていた。
木を眺めながら歩くと、次第に雪はなくなり、代わりに梅よりも太い幹の木々が立ち並ぶ景色に変わる。

瞬間、少し強めの風が吹いた。
薄いピンクの花弁が、風に吹かれ、ヒラヒラと舞い始めた。
以下略



6: ◆sIPDGEqLDE[sage saga]
2015/12/14(月) 12:18:02.03 ID:19/QbXVV0

風に弄ばれるように花弁が宙に舞う。
その様に見とれながら、それでも足は自然と進んでいく。
どちらが前か後ろかも分からないのに。

以下略



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