過去ログ - 【Dies Irae】静香「時間が止まればいいと思っていた」
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2:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:02:58.20 ID:p0fT/lmY0
 「それではみなさま、私の歌劇をご観覧あれ」

 「その筋書きはありきたりだが。役者が良い。至高と信ずる」

 「ゆえに、面白くなると思うよ」
以下略



3:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:03:39.71 ID:p0fT/lmY0
 そこは、あたり一面が黄昏に満ちた世界。水平線の向こうに沈んでいく夕日を背景に、私は彼女を眺めていた。
 目の前に広がる海を眺めながら彼女は鼻歌を奏でる。女の私ですら聞き惚れてしまう透明感のある歌声は、この奇妙な世界に驚く程調和している。

 「血、血、血、血が欲しい」

以下略



4:名無しNIPPER[sage]
2015/12/21(月) 11:04:38.04 ID:SXSQIO+jo
期待


5:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:04:46.58 ID:p0fT/lmY0
 「……またこの夢か」

 ふと、目が覚めた。
 シアターのダンスルームは東に位置しており、夕方には綺麗な夕焼けを望むことができる
 ……つまり、レッスン中に休憩しながら寝落ちしてしまった私は、夕日の光で目が覚めたことになる。
以下略



6:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:05:12.43 ID:p0fT/lmY0

 一ヶ月前。765プロに所属するアイドルの二人。伊吹翼と永吉昴が遺体で見つかった。二人に目立った外傷はなく、目撃者もいなかったらしい。
 二人が亡くなったことでみんな――もちろん、私も深く悲しんだ。でも、それがなんだというのだ。二人が死んだことが練習をしなくていい理由になるのか。むしろ、二人の分まで私たちがアイドルとして頑張らなきゃいけないのではないか。

 無くしたものは帰らないし、失ったものは取り戻せない。
以下略



7:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:06:32.09 ID:p0fT/lmY0
 ふいに、いつかエミリーさんが言った言葉を思い出す。

 夕暮れ過ぎは逢魔が時と言って、この世の理から外れたものと出会いらしい。
 黄昏とは、目の前にいる人の顔すら見えない暗闇のことで「誰は彼?」と聞いたのは語源になったのだとか。
 そういえば、あの子がいる世界も夕暮れ時の海岸だったっけ。
以下略



8:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:07:25.04 ID:p0fT/lmY0
 野々原茜。
 765プロに所属するアイドルの一人で一ヶ月前から姿を消していた。
 そんな彼女が、なぜ今になって私に接触してきたというのだろう。
 いや、そもそも彼女は私の知る彼女なのだろうか。
 外見こそ私の知る野々原さんのものだが、中身は違う、確実に別人だ。
以下略



9:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:08:06.82 ID:p0fT/lmY0
 「ええわかったわ。十分わかった」

 つまるところは。

 「死にたいのね、あなた」
以下略



10:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:08:41.70 ID:p0fT/lmY0
 瞳を閉じ、私の中にいるはずの彼女に語りかける。
 これは、所詮エゴにすぎない。
 言うならば復讐だ。翼達の死を馬鹿にした野々原さんを殺すだけのために、なにも関係ない彼女を利用しようとしている。
 そんな自分本位の考えしかできないのが最上静香という人間だ。

以下略



11:名無しNIPPER[ saga]
2015/12/21(月) 11:09:12.18 ID:p0fT/lmY0
  さあ、今宵の恐怖劇(グランギョニル)を始めよう。

 「形成――時よ止まれ、お前は美しい」


12: ◆7otdM//LitIi[ saga]
2015/12/21(月) 11:14:36.79 ID:p0fT/lmY0
終わりです
シンデレラのアニメ化が去年の春に発表されて今年の1月っから始まりましたよね
もしかしたらミリオンも来年の春に発表されて再来年の1月から始まるんじゃないのか。それならミリオンとDiesはアニメ化のタイミングが被るんじゃないのか
そんな高まりを抑えきれずに書きました

以下略



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