過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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3:名無しNIPPER[saga]
2015/12/22(火) 22:58:57.01 ID:pSrHbXqf0

彼の少年は10031号の死体を発見することはなく、美琴のベッドの下で実験のレポートを見ることもなかった。
御坂美琴はヒロインになり損ねたのだ。
だから彼女は、鉄橋の上に沈痛な面影を残し、死地へと向かうこととなった。
終結と清算の代償として、自らの命を差し出すために。

ちゃんと、殺されるつもりだった。
綺麗さっぱり。もう後には嫌悪感とどうしようもなさしか残らないくらい、この現実に掃除機をかけるように。
その覚悟はあった。決意もあった。意義もあった。

けれど、殺されなかった。
否――死に損なった。

一方通行が心優しい人間で、人形ならばともかくも人間を殺すのは忍びないと思ったから――などと言う心温まるエピソードはない.
彼は断じて、そんな懐など持ち合わせてはいない。
辛々しくも、美琴が勝利を収め、彼女と彼女の妹達にハッピーエンドが訪れた――という拍子抜けするような結末でもない。
そんな展開は、きっとこれからも起こらない。

だから、本当に単純な話。
単純明快で、憎々しい程に苦い物語。



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