過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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4:名無しNIPPER[saga]
2015/12/22(火) 22:59:46.17 ID:pSrHbXqf0

単に、庇われたのだ。

よりにもよって、救おうとした妹に。

「お姉様は、生きるべき人間です、とミサカは断言します」

10032号は、そう言った。愚かしい程にまっすぐな言葉に、眩暈を覚えそうになる。
それを言われる資格はなかった。少なくとも、御坂美琴はそう信じていた。
彼女の正義、もしくは価値観に則って言わせてもらうならば、「御坂美琴」という存在は死すべき悪であり、断罪すべき罪であった。
一万人以上を殺した罪。晴らそうにも晴らせない、彼女が生み出した災厄。

だというのに、なんという悪い冗談か。
眩しいほど純粋に生まれた彼女は、ただただ純粋に姉を思っていた。
本当に、それだけの話で。そんな簡単な理由で。

これからあの子は、自分のために死ぬのだろう。

引き攣ったような悲鳴がでる。恐ろしい、と全身を駆け巡る信号が赤色を叩き出す。
なんたる無様、なんて滑稽な。
救わなければならなかったのに、それだけが今現時点で御坂美琴が息をしていい理由だったのに。
その理由が奪われることに、避けがたい恐怖が込みあがってきた。



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