21:名無しNIPPER[saga]
2015/12/25(金) 18:39:39.06 ID:lWDqkljoo
◇ ◇ ◇
――あなたには、私のようになってほしくないのです。
梟の鳴き声がよく聞こえる、とある夜。
満月が昇り始める頃、少年はベッドの上でじっと考えを巡らせていました。
「どうして、か」
――私は、魔法を使う為に魔法を使っています。ばかげた事です。
「……」
少年はみんなの為に、誰かの為に魔法を使おうとしていました。
その為に修行を積み。
「……」
修行を積んでいます。
「……そうか。魔法使いは」
ゆっくりとベッドから身を起こしました。
壁に引っ掛けてあったローブと帽子を身に着けて。
両開きの窓を勢い良く開け放って。
「魔法を、使わなきゃ」
箒に跨がって、始まったばかりの月夜へ飛び出して行きました。
◇ ◇ ◇
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