28:名無しNIPPER[saga]
2015/12/25(金) 19:21:12.65 ID:lWDqkljoo
「…………どうして、謝らせてくれないんですか」
「怒っているからです」
出逢ってもう数年になるんですね。
あの時もプロデューサーはひどい顔で。
やっぱり床に膝を付いていましたっけ。
「アイドルがシンデレラなら、プロデューサーはきっと魔法使いだと思うんです」
私も床へ膝を折りました。
見上げられてばかりだった視線がぱちりと合って。
何だか久しぶりにプロデューサーと会えたような、そんな気がしました。
「魔法使いは、痺れるくらいに格好良くないと。ね?」
私が伸ばした右手を前に、プロデューサーはずっと黙ったままでした。
そのまま一曲唄い終わるぐらいの時間が経って。
ゆっくりと、けれどしっかりと。
火傷しそうなくらいに熱いプロデューサーの手が、私の手を握り返しました。
「――最高の舞踏会にします」
立ち上がったプロデューサーが、脚の痺れに耐え切れずに再び床へ崩れました。
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