過去ログ - クリスマスパーティー、その後で。原作:俺ガイル
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13:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/12/25(金) 19:07:26.59 ID:eO1MEmUE0


 やっぱ日本人のおもてなしは最高なんだな。
 うん、そうだ。そうに決まっている。
 小町に裏切られたとか、一晩猛獣の檻の中で猛獣と過ごさないといけないとか、
明日の朝日は見られるのだろうかという絶望的な状況なんてこの際もういい。
 そう、もういいから、おうちにかえしてぇっっっ!

陽乃「それに、あたしが服を着る代わりに、
   比企谷君はなんでも言う事を聞きますって宣言したじゃない」

八幡「いいましたね」

 死刑宣告って自分でするんだっけ?

陽乃「さ、夜はながいし、じっくり楽しいお話、しましょうね」

 たぶん最初こそは警戒しまくりだったが、けっこう楽しんだのだと思う。
 だけど、この姉ちゃんのはちきれんばかりのエネルギーの前では、
過充電すぎるほどのエネルギーに巻き込まれ、
頭がついていかないことだけはたしかであった。
 そしていつしか俺は温もりにくるまれながら眠りに落ちていった。








  ひんやりとした空気が俺の頬を撫で、
睡眠から覚醒しつつある俺は温もりを求めて抱き枕を抱きしめる。
柔らかく全てを包み込んでくれるような温もりが俺の顔いっぱいにひろがり、
甘い香りが俺をさらに堕落させる。
 このままだと二度寝確定だ。ただでさえ寒い朝はベッドから出たくはない。
ぬくぬくと気持ちがいいベッドの中から誰が出たいというのだ。
 だから俺は惰眠を貪りつくそうと抱き枕をに身をゆだねた。
 んっと、ちょっと待て。抱き枕なんて持ってたか?
 というか、ここだこだよ。ベッドだとは思うけど、俺のベッドだとは思えない。
高くもなく安くもない平凡なベッドを愛用している俺からすれば、
今寝ているベッドは体を圧迫する気配さえない。
 横向きに寝転がっていると思うが、肩や腕を押しかえす堅い反発もないし、
なによりもふわっとするこの感覚なんなの? 俺、しらないうちに死んじゃったのか?
 そう思いこむとパニくるのが小心者の俺なわけで、とりあえず目だけは開けてみよう。
 ………………真っ暗。何も見えん。ま、そうかもな。
抱き枕を抱いてるみたいだし、枕に顔をうずめていては何も見えないだろうし。
 俺は顔を左右に振ってみた。
とりあえず上方を見れば何か見えると思ったが、
弾力性に優れた抱き枕は俺の顔をはなしてはくれない。
一応下を見たが、ベッドのマットレスどころかやはり抱き枕しか見えなかった。
 だから俺は上を見てみようと顎をつき上がる。
すると、ぬぱっと抱き枕から脱出成功。
 しかし、夢は覚めないからこそ夢なのだろう。
二度寝最高。やっぱこの現実見ない方がよかったんだろう。
神様も俺が現実を見ないようにと暗闇に俺を閉じ込めたんだろうし。

陽乃「おはよっ」

八幡「…………おはよう、ございます?」

 今朝お俺の目に一番最初に飛び込んできたのは、陽乃さんの笑顔。
にっこりと優しく微笑むその姿であった。

陽乃「昨日は楽しかったわね。年甲斐もなくはしゃいじゃったわ。
   比企谷君がねぇ。やっぱり男の子なんだって実感もしちゃったしね」

八幡「え?」

 俺はいそぎ着ているものを確認しようとする。しかし抱き枕。
つまり陽乃さんが俺の体をしっかりとホールドしていては見動きすらままならず、
今服を着ているかさえ確認できなかった。

陽乃「大丈夫よ。比企谷君が考えているような男と女の関係はないわ」

八幡「そですか」

陽乃「そんな露骨にほっとされると、
   このまま比企谷君を食べてしまいたくなってしまうわね」

八幡「俺なんか食べても美味しくないですから、えっと、やめておいた方がいいですよ」

陽乃「ん〜……、それもそうね。
   やっぱりお互いが求め合う気持ちがないとうれしくないものね」




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