過去ログ - クリスマスパーティー、その後で。原作:俺ガイル
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2:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/12/25(金) 18:59:22.18 ID:eO1MEmUE0

 俺がうらみがましく見つめると、
やはりというかやっぱりというか、
どうせなら本当に背後霊であって、
見えないほうがよっぽど健康的にこの後の時間を過ごせたんじゃないかとさえ思えてくる。

八幡「で、雪ノ下さん。なにやってるんですか?」

陽乃「んん? クリスマスを楽しんでいるだけだけど」

 あっけからんと俺の視線攻撃をかわす陽乃さんは、
反撃とばかりに俺の腕に絡みついてくる。
冷え切っていた体にふわりと温もりがくるまり、
甘い香りが鼻腔をくすぐってくる。
 そもそも反則的な胸の重量感に、
俺は無抵抗に撃沈されそうになる。
 もうさ、せっかくのクリスマスなんだから、サンタさん。
同じ姉妹なのだから、
さっきまでいた妹君にも半分でいいから重みをプレゼントしていただけませんかね? 
いや、俺の心を惑わすこのお胸を、
一時的でもいいから妹君に移し替えるだけでもいいですから。

八幡「そうですか?」

陽乃「比企谷君も楽しんでいたみたいだね。
   雪乃ちゃんも喜んでいたみたいだから、
   うん、よかったよかった」

八幡「…………見てたんですか」

陽乃「たまたま目に入っただけよ」

八幡「さようですか」

 ほんとわけわからん人だよな。たまたま目に入っただと?
 どこから目に入ってたんだよ。
…………まじ聞くのこえぇな。
最初からだったら、まじで俺の背後霊やっちゃてるって事だろ?

陽乃「うん、そう」

八幡「じゃあ、家に行ってみたらどうですか?
   雪ノ下は今由比ヶ浜と帰っていったところだし、
   ケーキもありますから三人で楽しんでください。
   ……じゃあそれでは」

 と、やんわりと腕を振りほどき、
雪ノ下と由比ヶ浜を生贄にして逃げようと試みたが、
神様はしっかりと見ていらっしゃったそうで、
悪人たる俺を助けてはくれないようだ。

陽乃「ううん、雪乃ちゃんはガハマちゃんと楽しく過ごすみたいだから、
   お姉ちゃんは比企谷君と楽しもうかなってね」

 俺が逃げ出そうとしたものだから、今度は確実に逃げられないようにと腕だけじゃなく、
俺の手までも握りしめてくる。
しかもこの握り方。
いわゆる恋人つなぎってやつじゃないですか。

八幡「俺は今さっきまでクリスマスパーティーっていうか、
   お疲れ様会をやってきたばかりなんで、帰ろうかなと」

陽乃「えぇ〜……、私プレゼント貰ってないわよ?」

八幡「雪ノ下さんと会うなんて思っていませんでしたからね。
   というか、そういうおねだりは彼氏にしてくださいよ。
   クリスマスなんて彼氏にプレゼントを合法的に恐喝する為のイベントなのだし、
   雪ノ下さんでしたら軽くおねだりできますよ」

陽乃「わたし、彼氏なんていないけど?」

八幡「はっ……? だったらサンタにお願いしてみてはどうでしょうか?
   きっと朝になったら、お父さんサンタがプレゼントをくれると思いますよ」

 まあ、大学生の娘に夜中クリスマスプレゼントを枕元に置く父親なんていないだろうけど。
大学生の娘をもつ父親がプレゼントするものといったら、
精々友達(彼氏とは言わない)と食事に行くための軍資金くらいだろう。

陽乃「父は今夜も仕事で忙しいから無理かなぁ」

八幡「じゃあお母さんサンタにお願いしてみては?」

 お母さんサンタは、お父さんと相談してからねといって逃げるのが常套手段なんだよなぁ。
実際は母親が財布を握っているくせに、こういう時ばかり父親を利用するんだよな。



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