過去ログ - この世の果てへと至る旅路
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3:名無しNIPPER[saga]
2015/12/26(土) 01:52:10.75 ID:rZ9Qs5coo
「ねぇ」

「はい、なんでしょうか」

 木陰で佇む僕と先輩。
 学生にとっては夏休みでも世間的には平日の街並み。
 疎らな人通りは今の僕らにとって好都合だ。

「あれ、あれが食べたいな」

「……?」

 先輩の指差した方向を目で追う。
 僕のと同じような自転車。違う所を上げるとすれば、荷台に先輩の代わりにクーラーボックスが乗っている所か。
 その自転車の主と思われる麦わら帽子のおじいさんと目が合う。
 にんまりと音がしそうな笑み。
 僕はそんなおじいさんの笑みと先輩の笑みを交互に見比べてから、財布へと目を落とした。
 あまり浪費はしたくない。
 が、先輩の願望を浪費と表現もしたくなかった。


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